
CHRO(最高人事責任者)エバンジェリストの橋本(@yuzo0201)です。
これまでにたくさんの方の採用面接をしてきました。その数およそ4万人。
たくさんの面接経験を経た上で、自分なりに「最高の面接をするには、どういう視点で、どういう質問をしたらいいのか?」を模索してきました。
採用担当をしている時も、いくつかの会社の人事コンサルティングをしている時も、考えを深めてきました。
その中で、現時点でこれが「採用担当が面接で応募者に本当に問うべき質問」だな、と思うことが3つ見えてきたので、その内容をシェアします。
①究極の質問「どうやって死にたいのか?」
どんなに素晴らしい実績を残した人でも、どんなに偉い人でも、残念ながら全ての人がいずれ死を迎えることになります。これは誰しも避けることができない事実です。
これを事実として受け止め、どんな風に「その時」を迎えたいのか?ということを考えておくのと、全く考えないのとでは、人生の時間の質が変わるのではないか、と考えています。
面接では応募者と、このポイントから逃げずにきちんと向き合うこと。直接的ではないにしても、「どうやって死にたいのか?」に関する考えを聞くことが重要です。
どう死ぬのか、というのは、どう生きるのか、にも関係してきます。どこで「その時」を迎えるのか?誰に看取られたいのか?この世にどんな功績や足跡を残したいのか?どんな感情を持ちたいのか?を質問をしながら確認する。
この人生の究極の質問をすると、シンプルに人生の究極な目標が見えてきます。おそらくそこでは「お金」は何の価値もないものになるでしょう。
②現状をどう捉えているのか?
最初の質問で「人生の究極な目標」がはっきりしたら、今度は現状をどう捉えているのかを聞きます。
私は人事の仕事とは「人の人生を司る仕事」「人生の水先案内人」だと考えています。
ほとんどの人が現代では、人生の中で「働いている状態」が占める割合が圧倒的なものになります。その状態が最適な状態なのか、人生の究極の目標につながっているのか、を考える機会をつくるのが人事の役目になるわけです。
現状に満足しているのか?何が不満なのか?不満の源泉はどこにあるのか?何がやる気を起こすスイッチのトリガーになっているのか?など。
やり取りの中で、応募者が自然と心の中を整理してもらうように質問を繰り返します。
人生の究極な目標と現状が捉えられたら、あとはその間の道のりを最後の質問をしながら一緒に描いていきます。
③人生を最高にハッピーなものにするために、どんな人生を歩んでいきたいと思っているのか?
人生の究極の目標を実現するために、現状からの道のりをどうやって生きていけば最高にハッピーな人生、生き様になるのかを一緒に考えていきます。
そこでは生きるためのお金が必要かもしれません。そこでは住むための家が必要かもしれません。
ただ、最後の最後にある究極の目標からブレないように「気づき」を促しながら、自分たちの仲間になれば人生がハッピーになるのか、またはアンハッピーになるのかを、面接で質問をしながら考えていきます。
これまでの人生がどうだったとか、そういうことはどうでもいいことです。大事なのは今とこれから先の人生でどうなりたいか、で、採用担当として聞かなければならないのは、そういう話だと思うのです。
ハッピーになるとお互いが確信できるのであれば、自信を持って「一緒に働きましょう!」と背中を押したらいいし、アンハッピーになると感じたなら、「一緒に働いたらきっとあなたは不幸になる。他にある例えばこんな道を歩まれるのがいいと思います。」と言ってあげたらいいのだと考えています。
まとめ
いろんな企業の採用担当に話を聞く中で「ウチは◯◯がダメだから採用ができない」と言っている人を見かけますが、全くナンセンスだと思っています。
会社の知名度やオフィスのロケーション、会社の現状や給与などの「すぐには変えられないこと」ばかりに目を向けるのではなく、「一緒に人生を考える」という「変えられるスタンス」にフォーカスする人が一人でも増えたらいいな、と思って、この記事を書きました。
「人の人生を司る役目」を担う採用担当が、最高の面接をする。一緒に面接のあり方を変えていきませんか?