CHRO(最高人事責任者)エバンジェリストの橋本(@yuzo0201)です。
人事の仕事を始めてから、ずっと付いて離れない課題があります。
それは、
「エンジニアの評価と給与の決め方」
について。
評価の仕組みのよくあるパターンとして、役職ごとにコンピテンシーとMBO(業績目標)が設定され、それを年2回で評価するというものがあります。
全社で同じスキームでやるので効率性はいいでしょう。
ただ、やはりいろんな問題が起きています。
・エンジニアを評価する上で会社が決めたコンピテンシーってマッチするの?腹落ち感がないんだけど。
・MBOが私の仕事にマッチしてない。
・現状にアジャストできない評価制度をやるほど暇じゃない。やりたくない。(ごもっとも)
・評価制度が会社や仕事のスピードに追い付いていない。時代遅れ。
などの意見を聞きます。どの意見にも理があり、納得するところです。
他の会社はどうしてる?
他の会社で素敵な評価制度を取り入れているんじゃないか、と思い、いくつかの会社にアポイントを取り、ヒアリングをしてきました。
参考になるアイデアをたくさん頂けました。そして、全員が口した共通の言葉がありました。
「評価は難しい。答えがない。これがベストだとは思わない」
苦しそうな表情で、同じように話をしていました。
人事評価って、こんなのでいいのか?
業績好調なあるIT企業のホームページに、人事評価制度の目的、何のためにやるのかが書かれていました。
1 成長のサポートをするため:
自己流でやるより、誰かからアドバイスをもらった方が成長しやすいよね
2 給与を決めるため:
その給与にした言い訳にできるから、それで納得してもらえるんじゃないかな。
「ふわっ」としてますが、そもそも「人は人を評価できない」という考えを前提としているので、これぐらいのトーンにしているそうです。
この「ふわっ」と感が、なかなか難しい。。。
LINEの人事評価に共感するところあり
調べてみたところ、LINEでは以下の方法で評価しているそうです。
評価のタイミングは年2回。ルールよりも、「適正な」報酬にフレキシブルに変えていくことを重視している。
評価1:P-Review(Performance Review)
半年間のパフォーマンスを評価する。
役割に応じた評価をする。
評価2:C-Review(Co-work Review)
360度評価。上司、部下、チームメンバー、
チーム外メンバーから以下の2軸で評価をする。
①ストレートな質問
「◎◎さんともう一度一緒に仕事がしたいですか?」などのストレートな質問
②コンピテンシーの質問
伸ばす点、改善すべき点について評価とフィードバックを行う。
これら2つの評価から半年ごとに給与を決めているものと思われます。
もう「公平さ」は諦めるしかない、でも、、、
誰でも「無駄」なものには時間を使いたくないと思うはずです。
口コミサイトなどを見てみると、働いている人のほとんどが「人事評価制度」に不満を持っているように思います。
でも、給与は誰かの主観で決められたくない。
公平な人事評価をして欲しい。
誰しもそう思いたいものです。ただ、調べたところ、とりあえず現状の地球上で「公平な人事評価」というものは存在していないようです。あったとしても、それは絶滅危惧種並の話。
むしろ、最近ではアメリカの企業を中心に年次人事評価を取り止めて、日々の活動にフィードバックをするように切り替えているところも増えてきています。
CHRO(最高人事責任者)の立場から、現在の「不満ばかりが募る」人事評価に、企業のミッション、ビジョン、バリューからメスを入れて、新たな仕組み、枠組みを創り出したいと思っています。